n8nの料金は、使い方によって大きく2つに分かれます。n8nの会社のサーバーで動かす「クラウド版」は、年払いなら月20ユーロのStarterプランから使えます。自社でサーバーを用意する「セルフホスト版」は、ソフトそのものは無料ですが、サーバー代と、更新やバックアップをする人の手間がかかります。
この記事では、n8nを会社の仕事に使うときに実際にいくらかかるのかを、料金の数え方の基本である「実行回数」とあわせて解説します。n8nそのものの説明や、できることはn8nとは?できることと使い方を、実際の自動化の例で解説をご覧ください。
※料金と条件はn8nの公式料金ページと公式ドキュメントをもとにしています。最終確認日:2026年10月31日。料金は変わることがあるので、申し込む前に公式ページで確認してください。
目次
n8nの料金は結局いくら?まず結論
会社で使う場合の費用は、次の3つのどれかになります。
- クラウド版(Starter・Pro):年払いなら月20ユーロ(Starter)と月50ユーロ(Pro)。月払いはそれぞれ月24ユーロと月60ユーロです。サーバーの管理はn8nの会社が行います
- セルフホスト版(Community Edition):ソフト代は無料。そのかわり、サーバー代と、更新・バックアップ・障害対応などの手間が自社にかかります
- セルフホスト版の有料プラン(Business・Enterprise):SSO(社内の共通ログイン)などが必要な会社向け。Businessは年払いで月667ユーロからです
料金はユーロ建てなので、円での支払額は為替によって変わります。また、AIで書類を読み取るような自動化では、n8nとは別にAIサービスの利用料がかかります(後で説明します)。
クラウド版の料金プランは?(2026年10月31日時点)
クラウド版には、Starter・Pro・Enterpriseの3つのプランがあります。どのプランも、使う人数とワークフロー(自動化の流れ)の数は無制限です。違いは主に「月に何回動かせるか(実行回数)」と、同時に動かせる数、使える機能です。
- Starter:年払いで月20ユーロ、月払いで月24ユーロ。実行回数は月2,500回。同時に動かせるのは5つまで。1回の実行は最長5分
- Pro:年払いで月50ユーロ、月払いで月60ユーロ(月10,000回)。月50,000回の段階を選ぶと、年払いで月120ユーロ、月払いで月144ユーロ。1回の実行は最長40分。ワークフローの変更履歴を5日分さかのぼれる(Starterは1日)ほか、管理者の役割分担も使えます
- Enterprise:料金は個別見積もり。厳しいセキュリティ管理や、専用のサポート窓口が必要な組織向けです
年払いは月払いより安く、料金ページでは「17%おトク」と表示されています。
無料トライアルでできること
クラウド版には無料のプランはありませんが、無料トライアルがあります。公式ドキュメントでは期間は14日間で、Proプランの機能を実行回数1,000回までの範囲で試せます。申し込みにクレジットカードは不要です。
トライアルが終わって有料プランに移らないと、作ったワークフローは削除されます。公式ドキュメントによると、終了後90日以内ならワークフローをダウンロードできます。
Businessプランはセルフホスト専用
料金ページのBusinessプラン(年払いで月667ユーロ、月払いで月800ユーロ、月40,000回)は、2026年10月31日時点ではセルフホスト版でしか使えません。クラウド版のBusinessは、順番待ちの登録を受け付けている段階です。
従業員20人未満の会社は、条件を満たせば「Startupプラン」としてBusinessが半額になると案内されています。対象になるかは、公式のStartupページで確認が必要です。
「実行回数」とは?何が1回に数えられる?
n8nの実行回数とは、ワークフローが最初から最後まで1回動くことを1回と数えたものです。途中の処理(ノード)がいくつあっても、扱うデータが多くても、1回は1回です。作業の手順ごとに料金がかかるツールに比べて、費用の見通しが立てやすいのが特徴です。
数えられないもの
公式ドキュメントでは、次のものは実行回数に数えないと説明しています。
- 手動での実行:作っている途中に、画面のボタンで試しに動かしたもの
- サブワークフロー:ワークフローから別のワークフローを呼び出した場合、数えるのは親の1回だけ
- エラー用のワークフロー:止まったときに通知を送るための専用ワークフロー
- 新しいデータがなかった確認:「新しいメールが来ていないか」を定期的に見に行って、何もなかった場合
作りながら何十回テストしても、上限は減りません。数えられるのは、本番で自動的に動いた分だけです。
きっかけの種類で、数え方が変わる
本番の実行回数は、ワークフローの「きっかけ(トリガー)」の種類で数え方が変わります。
- 時間で動かす(スケジュール):動くたびに1回。処理するものがなくても数えられます
- 新しいデータを見に行く(ポーリング):新しいメールやファイルが見つかったときだけ1回
- 外から呼ばれて動く(Webhook):呼ばれるたびに1回
注意したいのは時間で動かす作りです。公式の料金ページによると、5分ごとに動かすと月に約8,600〜8,900回になります。仕事が1件もない時間帯にも数えられるので、Starterの月2,500回はすぐに超えてしまいます。同じ「新しい注文がないか確かめる」仕組みでも、きっかけの選び方で必要なプランが変わるのです。
実際の仕事に置き換えると、月に何回になる?
実行回数は、「きっかけが月に何回起きるか」で見積もります。ここでは、私たちがお客様の会社で作った自動化の形をもとに、数え方の考え方を説明します(回数は説明のための仮の数字です)。
例1:LINEやFAXで届く注文書を登録する
注文書の自動登録では、LINEに注文書の写真が届いたとき、またはFAXがメールで届いたときに、AIが読み取ってスプレッドシートに登録します。この作りでは、注文書が1枚届くごとにワークフローが動くので、おおむね「注文の件数=実行回数」になります。
たとえば仮に、1日20件の注文が月22日届くとすると、月440回ほどです(この会社の実際の件数ではなく、計算の例です)。これならStarterの月2,500回の範囲に収まります。
例2:月末に届くタイムカードを入力する
タイムカードの自動入力のように、メールで届いた書類を読み取る作りでは、届いたメールの数が実行回数の目安です。月末にまとめて届く仕事なら、1か月の回数は多くなりません。
ただし、件数が少なくても、1通に何人分もの書類が添付されていて処理に時間がかかる場合は、別の上限に注意が必要です。Starterは1回の実行が最長5分までなので、読み取りに時間がかかる作りでは、Pro(最長40分)を選ぶか、1件ずつに分けて処理する作りにします。
自分の会社の回数を見積もる手順
- 自動にしたい仕事を書き出し、それぞれ「何が起きたら動くか」を決める
- そのきっかけが1日・1か月に何回起きるかを数える(注文の件数、届くメールの数など)
- 時間で動かす仕事は、1日に何回動かすかで計算する(1時間ごとなら1日24回、月約720回)
- すべてを足して、プランの上限に余裕があるかを確かめる
実際の回数は、n8nの「Insights」の画面で確認できます。トライアル中に本番に近い形で動かし、回数を見てからプランを決めるのが確実です。
どの仕事から自動にするかの選び方は、「AIで業務効率化するには?小さく始める5つの手順」で紹介しています。
セルフホスト版は本当に無料?かかるお金と手間
セルフホスト版のCommunity Editionは、ソフトの利用料がかからない無料版です。公式ドキュメントでは、実行回数の上限があるのは有料プランと説明されていて、無料版はほぼすべての機能が使えます。ただし「n8nにお金を払わない」だけで、運用にかかるお金と手間がなくなるわけではありません。
サーバー代
n8nを動かすには、24時間動き続けるサーバーが必要です。国内のVPS(月額で借りられる仮想のサーバー)の公式料金ページ(2026年10月31日確認、税込)では、次のような料金が出ています。
- XServer VPS:メモリ2GBのプランが月額1,265円〜、4GBのプランが月額2,035円〜(契約期間によって変わります)
n8nの公式の手順書では、ふつうの使い方なら小さめのサーバーで足りるとしています。ただし、n8nのAIアシスタント機能を自社のサーバーで使う場合は、メモリ4GB・CPU2コア以上が必要です。このほか、外からアクセスするためのドメイン代や、バックアップの保存先の費用がかかることもあります。
見落としやすいのは「人の手間」
セルフホスト版でいちばん大きな費用は、サーバー代よりも、それを面倒見る人の時間です。自社で行う必要があるのは、たとえば次のような作業です。
- n8nの新しい版への更新と、更新後に動作を確かめること
- データのバックアップと、いざというときに戻せるかの確認
- 通信の暗号化(SSL)やログインまわりなど、セキュリティの設定
- サーバーが止まったときに気づき、復旧すること
n8nの公式ドキュメントも、セルフホストは「サーバーの扱いに詳しい人向け」とし、慣れていない場合はクラウド版を勧めています。設定を間違えると、データの消失やセキュリティの問題、自動化の停止につながるためです。社内に担当できる人がいない場合は、その作業を外部に任せる費用も含めて考えましょう。
無料版でできないこと
無料のCommunity Editionでは、ワークフローや接続情報(アプリのログイン設定)を他の人と共有する機能が使えません。作った本人と、n8nの持ち主(オーナー)のアカウントしか見られないため、複数の担当者で分担して管理したい場合は注意が必要です。社内の共通ログイン(SSO)や、変更履歴をGitで管理する機能も、有料プランの機能です。
n8n以外にかかるお金はある?
あります。n8nの料金はあくまで「自動化を動かす仕組み」の料金で、つないだ先のサービスの料金は別です。
- AIの利用料:注文書やタイムカードをAIで読み取る場合、AIサービスの利用料が使った分だけかかります。クラウド版には、AIサービスと個別に契約しなくてもAIを使える「Gateway credits」もあります(Starter・Proで使え、前払いした残高から使った分が引かれます)
- 連携先のサービスの料金:LINE公式アカウントやGoogle Workspaceなど、つなぐ先のサービスにもそれぞれの料金プランがあります
- 作る・直すための費用:自社で作るなら担当者の時間、外部に頼むなら制作の費用がかかります
n8nの月額だけでなく、こうした費用も合わせた「1か月の合計」で比べましょう。
会社の仕事に使うとライセンス料はかかる?
自社の業務のために使うだけなら、ライセンス料はかかりません。n8nは「Sustainable Use License」というライセンスで提供されていて、自社の内部の業務に使うことや、改変して使うことが認められています。
一方、n8nそのものを他社に有料で提供するような使い方は認められていません。詳しくはn8nのライセンスを確認してください。
クラウド版とセルフホスト版、どちらを選ぶ?
私たちは、お客様の状況に合わせて両方を使い分けています。判断の目安は次のとおりです。
クラウド版が向いている会社
- サーバーの管理をしたくない、社内に担当できる人がいない
- まずは1つの仕事で小さく試し、効果を見てから広げたい
- 実行回数がプランの上限に収まる見込みがある
セルフホスト版が向いている会社
- 扱うデータを自社の環境に置いておきたい(クラウド版のデータは、ドイツ・フランクフルトのサーバーに保存されると公式に案内されています)
- 実行回数が多くなりそうで、クラウド版の上位プランだと費用が合わない
- サーバーの更新や監視を任せられる人や会社がいる
迷う場合は、クラウド版のトライアルで実際の仕事を1つ動かしてみるのが近道です。実行回数がどれくらいになるかがわかれば、クラウド版のままでよいか、セルフホスト版に移すべきかを数字で判断できます。あとで移す場合、ワークフローは持ち出せますが、公式ドキュメントによるとクラウド版のバックアップにアプリの接続情報は含まれません。移した先で接続の設定をやり直す手間も見込んでおきましょう。
Case
導入事例
よくある質問
n8nに無料プランはありますか?
クラウド版に無料プランはなく、14日間の無料トライアルだけです。ずっと無料で使えるのは、自社でサーバーを用意するセルフホスト版(Community Edition)です。ただし、サーバー代と運用の手間はかかります。
実行回数の上限を超えたらどうなりますか?
料金ページでは、StarterとProの超過料金は「Capped(上限あり)」と書かれていますが、上限に達したときの細かい動きは公式ページに詳しく書かれていません。仕事が止まると困る自動化なら、上限に余裕のあるプランを選び、使った回数をこまめに確認しておきましょう。セルフホスト版のBusinessプランは、上限を超えても動き続け、上の段階に移らない場合は超過料金がかかることがあると案内されています。
まとめ
- n8nのクラウド版は、年払いで月20ユーロ(Starter)・月50ユーロ(Pro)から。月払いは月24ユーロ・月60ユーロです(2026年10月31日時点)
- 料金は「ワークフローが最初から最後まで動いた回数」で決まります。テストでの実行は数えられませんが、時間で動かす作りは、仕事がなくても回数が増えます
- セルフホスト版はソフト代が無料ですが、サーバー代(国内のVPSのメモリ2GBのプランで月1,200円台から)と、更新・バックアップを担う人の手間がかかります
- AIの利用料や連携先のサービス料金は別にかかるので、1か月の合計で比べましょう
- サーバーを管理したくない・小さく始めたいならクラウド版、データを自社に置きたい・回数が多いならセルフホスト版が目安です
「うちの仕事だと、月に何回くらいになる?」「クラウド版とセルフホスト版のどちらが合う?」という段階からご相談いただけます。私たちの業務効率化サポートでは、n8nを使った自動化を、仕事の流れの整理から、運用の方法を決めるところまで一緒に進めています。




